Angle! Baby! Cupid!

とあるジャニオタののんびり随想録

落ち込むこともあるけれど~ボストンより愛をこめて

アラームが鳴る。
スマートフォンを目をつぶったまま手探りで探して止めた。
よろよろとベットに腰掛ける。
目の前にはまだ寝ている友達がいた。
寝ぼけ眼を擦りながら私は気付く。
そっか、ここは自分の家じゃないんだ。

―――――

アメリカ合衆国マサチューセッツ州、ボストン。
日本から飛行機約13時間かけて到着する東側の町。
有名な野球チーム、ボストン・レッドソックスのホームタウン。
私は今、そのボストンに留学をしている。


私が参加しているプログラムは主にアメリカと日本文化を関わりを教わる。
午前中は英会話、午後は美術館や博物館へ向かうというスケジュールだ。
プログラム初日に行ったcorpleyという駅には古い教会がいくつもあった。
入ってみると目の前には大きなステンドグラスが。
厳かな雰囲気に飲まれつつ、そっと通路側の席に座った。
窓から差す心地よいの光とパイプオルガンの音色が私を包み込む。
今度の日曜日はミサに行ってみよう。

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土日はニューヨークを訪れた。
ボストンから車で4時間半。
そこは世界の中心都市。
一歩歩くだけでいくつもの言語が飛び交う。
人と言葉の間を抜けつつタイムズスクエアを歩いた。
その道中見馴れた字が。
牛角
私も友達も笑顔がこぼれる。
その二文字は安心感を与えてくれた。

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写真が欲しかった。
トップ・オブ・ザ・ロックという展望台で撮った写真。
店員さんが撮って写真の番号を書いたカードをくれた。
専用カウンターで買えるそうだ。
私は友達にギフトショップで待ってて欲しいと頼み、カウンターへ行った。
カウンターは客がいなかった。
写真の見本には台紙に二枚貼られている。
私はカードを渡して店員に拙い英語で話しかけた。
二枚選ぶのですか?と。
What?と返された。
どうやら声が小さかったようだ。
もう一度言ってみる。
首をかしげながらしっしっ、と手で払われてしまった。
何がいけなかったのだろう。
どうしてそうされたのだろう。
しばらく頭の中はぐるぐるしていた。


黄昏時を過ぎたニューヨークの帰り。
アメリカのハイウェイには街灯がほぼない。
寝ている人が多いので車内のライトは付いていなかった。
だから外も中も真っ暗だ。
静まり返った車内で私は紫色のイヤホンを耳に入れる。
再生ボタンを押すと音楽が流れてきた。
渋谷すばるがカヴァーした「元気を出して」。
真っ直ぐ続く赤と黄色のカーライトの糸はいつ途切れるのだろうか?
彼の柔らかくも芯のある声は私の心の穴に通っていった。


落ち込むことも、ある。
先生に質問しても上手く伝わらなかったり、学芸員さんの説明が聞き取れなかったり、よく分からないものを食べてみてお腹を壊したり。
それでもここへ来てよかったと思う。
落ち込むことより得るものが多いから。
伝えるため、理解するために目を見て話すようになった。
分からないまま終わりたくないから、たくさん質問するようになった。
「ごめんなさい」より「ありがとう」を言うようになった。
ボストンの風はちょっぴり冷たいけれど、私は元気にしています。


明日はボストン美術館に行く。
いくつもの日本の仏像が展示されているようだ。
日本史は好きだから楽しみだな。