Angle! Baby! Cupid!

とあるジャニオタののんびり随想録

舞台コインロッカー・ベイビーズ2018 雑記

はじめに

思い返せばあの日、2016年6月10日。
私は舞台コインロッカー・ベイビーズを観て河合郁人くんのファンになった。
そして私は彼を、キクをずっと忘れられなかった。
蒸し暑い夏の日には彼を名前を思い出し、彼の鋭く悲しい眼差しに想いを馳せた。
それから2年、2018年2月27日。再演が決定した。
2年で再演…。とても恵まれていると思った。でも時の流れは早いもので、私はお酒が飲めるようになったし、生活環境もアルバイトも変わって、ほんの少しだけ人見知りも直った。2年間でキクは、ハシはどうなったんだろう。私は河合くんのハシと橋本くんのキクを受け止めることができるのだろうか。
そんな不安と期待を抱え、舞台コインロッカー・ベイビーズの再演は幕を開け、そしてあっという間に幕を閉じました。
以降、舞台の感想をガッと殴り書きした文章が続いています。読みにくいとは思いますがご了承ください。

ちなみにこれが初演の感想。ポエムすぎてしんどい。
m-axel-s.hatenablog.com

キクきゅんの拒絶

これは初演から思っていたことで、河合くんのキクは世界のすべてを拒絶していて、そんなキクが唯一信じていたのがハシ。だけどメイクする様子やホモだと告白するハシを見て軽蔑の眼差しを向けるキク。キクの世界にはキク自身もいなくてハシがすべてだった。だから自分が知らなハシを受け入れることができなかった。
D、ニヴァ、アナウンサー、中倉…とすべてを拒絶するキク。時にはアネモネでさえも。でもアネモネに対するアプローチは初演と比べて優しくなった。ワニの国だってちゃんと聴いてるしね。寝転がっているけど。でもアネモネに笑いかけるシーンは増えた。表情もどこか柔らかくなっていて。この2年間でキクとの向き合い方が変わったんだね。
汚染地域前のキクアネモネのやり取りがバラエティー、漫才っぽい早めのテンポで会話が進んでいった。でも「拳銃はどこだ」前ではやり取り自体は早いものの早さが溢れることなくむしろ一呼吸する間もある。アネモネとの会話を楽しんでいる感じ。この会話のテンポも2年間で得たものなのかな〜と思った。
初演の感想で私はキクのことを諸刃の剣と例えたけど、印象はそれからあまり変わっていない。世界を壊すため自分も傷つきながら剣を振るう。怒りと涙を堪え静かに世界を睨みつけるキク。その美しさたるや。

「ヒーロー」橋キク

橋キクには受け入れる力があった。ハシにホモだと告白されても、彼を理解しようと彼の行動を見つめ続けた(そして一切橋キクを見ることなく歌い舞うハシきゅん)。橋キクはキクきゅんよりも協調性、というか人間力があった。また来てよ、と見つめるアネモネの肩をポンと叩いたりだとか、普通にモテるタイプ。ミルクの夢をみて飛び起きるところからアネモネにキスをせがまれる間のキクの動きも二人で差が出て面白かった。橋キクは慣れてる。たぶん経験済み。郁キクはDT。
退屈なアネモネの世界をちょっと雑に、でも優しく包み込んだ橋キクはアネモネのヒーローだった。もちろんハシきゅんのヒーローでもあった。キクきゅんに惚れたアネモネは郁キクの今にも爆発しそうな、エネルギーの中に隠れた繊細で泣きそうな心が好きだったとしたら、橋キクに惚れたアネモネはただひたすらかっこよくて優しいけど、その一方でハシを思うあまり浮世離れしてしまった危険な雰囲気に惚れたのかもしれない。
…とか書いていたらまさかのご本人様から答え合わせが出ましたね。詳しくはジャニーズウェブのえびブロ、はっしーのページをご覧ください。

ナチュラルボーンヤバい奴ハシきゅんとある場面から転げ落ちるように狂う橋ハシ

河合くんのハシは最初っからどうしようもないヤツで、自分のことしか考えてない。
兄弟が服役中だってのに嬉しそうに「僕はスター☆」とか言うし「キクは…島の恥なんだって!!」って笑いながら伝えるし。オマエなぁ!!!って言いたくなる笑。橋ハシの方がよっぽど正気だった。まだ右も左も分からない子どもの頃に無垢で純粋な故に生まれる残虐性というか。それをずっと抱えたままのハシきゅん。
ハシきゅんのどうしようもない姿に同情も感情移入もできなかった。そして一体どういう経路を辿って〈河合郁人のハシ〉を産み出したのか。河合くんのことが怖くなった。どこにそんな引き出しを隠し持っていたの…?
一方橋ハシは社交的で友好的で喋ってる人の顔は基本的にちゃんと見るんですよ。歌い方を変える為、舌を切るシーンだってまだ人の心がある気がする。本当に歌い方を変えたかっただけ。一気に狂気へと沈むのがニヴァの告白から。この急展開は2年の時を経て更に狂気的になった。その後の「ホワイト・ノイズ」のクレッシェンドとデクレッシェンドの気味が悪くて耳から離れなかった。キクきゅんとの面会シーンは毎回怖くて怖くて仕方なかった。橋本くんのハシを更に良くしよう、僕のハシから1秒たりとも目を離すな、という気合いを感じられた。
この2人のハシで一番好きなシーンはキクが実の母親を撃った後。橋ハシは死体から視線を離さず今にも叫びそうな顔で震え上がっている一方、ハシきゅんは死体に目を向けず、背けて動かない。後悔と目の前に横たわる恐怖と向き合うことができた橋ハシと、自分が招いた結果から逃げているハシきゅん。2人とも全く違うアプローチでとても面白かった。

秋山くんと福士くん

NEWS魂やえび座でMADEくん達には何度もお世話になってるが、やっとお顔を覚えることができた(ごめんなさい)。何役もこなしているお二人なので気に入ったキャラクターについて。
秋山くんはやっぱりタクシードライバーだよね。この舞台の空気を作るのがタクシードライバーアネモネのシーンだと思っていたので秋山くんには期待半分不安半分だったけど、立派に気持ち悪かったです(褒めてる)。「金を借りるついでに、刺してきます」の声のトーンとバタンとドアを閉めてウフフって微笑むところも鳥肌が立ちました。
福士くんはダイバーの1人語りも文句なしだったけど、タツオが印象的でした。細かいけど、「リヴァレーターだよ!!」の「ヴァ」の声が好きでしたね(細かい)。ヒャッハーと叫ぶ頻度、私はふ◯っしー率(?)と呼んでいたけど、それが高い日は私もテンション上がりました。気分が良い…!!
私は2人の演技や歌唱力について、今までを知らないのでぜひMADE担の感想を聞きたいなと思った。この舞台を経て河合くんは良い意味で大きく変わったから、秋山くんと福士くんのブレイクスルーになっていればいいな。

最後に

毎日がしんどい。
この舞台が終わってもう2、3週間経っているのに全然ロスが収まらない。毎日毎日ふとした瞬間にこの舞台のことを思い出してしまって、たとえ街中でも崩れ落ちそうになる。何とか人間の形を保って生活できていることを褒めてほしいぐらい(?)。目を瞑ると台詞が聴こえて来るし、頭に流れる映像はそれぞれのハシ/キクが同時再生される。狂ったわけじゃないんだ(ハシ)、だからブラウザバックしないで。
私は河合くんのキクが好きだった。世間やジャニオタのイメージとはかけ離れたキクが。でも今はキクを、ハシを演じている河合くんが好きだ。どう演じるか、どのような動きでこの役の感情を表現するか、一コマ一コマ計算された動作や表情や声や歌が。河合くんが演じることを心から楽しんでいるように見えて私は嬉しいし、これからも色々な役に挑戦してほしいと思う。
河合くんを応援するようになって早2年。そのきっかけを作ってくれたこの舞台には本当に感謝している。再演してくれてありがとう。本当にありがとう。2018年の夏はきっと心に残る良い思い出になるだろうし、心地よい呪いにもなるだろう。私はこれからもこの作品と向き合い続ける。