Angle! Baby! Cupid!

とあるジャニオタののんびり随想録

ジャニーズ楽曲の歌詞を分析する~全シングル楽曲編~

はじめに

ジャニオタの皆さんは普段、どのように楽曲を聴くだろうか?
メロディーを全身で感じるも良し、歌う彼を思い浮かべるも良し、ライブを思い出すも良し、何も考えずに聴き流すも良し。
私は歌詞に注目するのが好きだ。
例えば、歌詞の内容と自分を重ねて励まされたり、アイドルたちを思い浮かべて彼らの絆を強く感じたり、恋愛ソングの歌詞では好きな彼と自分を想像してみたりなど。
だが、通常はそうではないらしい。
「この曲のこのメロディーが覚えやすくて好き!」や「ここの○○くんの表情いいねぇ~」などそのような話はよく交わされるが、「この曲のここの部分の歌詞、グッとくるよね」みたいな会話はあまりされていない気がする。
もしやジャニオタにおいて歌詞は重要視されていないのではないか。
そのようなことを考えているうちに私はジャニーズ楽曲の歌詞について興味を持った。
アイドルを印象付ける要素であろう楽曲、とりわけ歌詞はどんな役割があるのか、もっと知識を深めるために分析を行うことにした。

分析方法と分析対象

分析方法として使用するのはKH Coder*1という計量テキスト分析ソフト。
「ジャニーズ 歌詞分析」ではてブロ内を検索したことがある人は見たことがあるかもしれない。
KH Coderはテキストで使われている頻出語を検索したり、語句と語句の繋がり(共起ネットワーク)を検証したり、語句を指定して分類(コーディング)したりとあらゆるアプローチからテキストを分析できるソフトで、学術論文にも使用されることも多い。
今回はこのKH Coderを使って頻出語を抽出する。
分析時に「僕」や「君」など単語として抽出されなかった語がいくつか出現したので強制抽出の設定、そしてそのままだと意味が分からない語は不使用の設定を行った。
また、KH Coderは動詞や形容詞など変化する語句はすべて基本形に直して表記する。
分析対象はジャニーズの楽曲。
ジャニーズの中でも2017年から2018年の間に一度でもシングルをリリースしたジャニーズグループ13組に絞った。
13組の内訳はTOKIO、V6、KinKi Kids、嵐、NEWS、関ジャニ∞KAT-TUNHey! Say! JUMPKis-My-Ft2Sexy ZoneA.B.C-ZジャニーズWEST、King&Prince。
分析する作品はシングル楽曲(DVDシングル、ダブル・トリプルA面を含む)。
13組が2018年まで(1994年9月21日発売、TOKIOの「LOVE YOU ONLY」から2018年12月19日発売、KinKi Kidsの「会いたい、会いたい、会えない。」)にリリースしたシングル楽曲、合計447曲

当ブログの楽しみ方と注意点

※ここで推奨する方法は強制ではないので、自由に楽しんで頂ければと思う。
今回の分析結果は3つに分けて投稿した。
当ブログでは全シングル楽曲の傾向、あとの2つは各グループのシングル楽曲の傾向について書かれている。
各グループの分析は全シングル楽曲の傾向を基にしているので、各グループの担当の方は導入編としてこの記事を読んでから他のブログを読んでもらうのが一番分かりやすいだろう。
また、傾向から考察を行うが、当方、A.B.C-Z関ジャニ∞寄りの事務所担。
もちろん細心の注意を払って執筆しているがもし間違った内容があればこちらのマシュマロ*2に送ってもらえると嬉しい。

全シングル楽曲の傾向

全シングル楽曲、447曲の頻出語上位30語が以下である。



順位

抽出語

出現回数

1



1324

2



815

3



483

4

YOU

420

5



398

6



341

7



334

8

ON

318

9

明日

317

10



296

10

未来

296

12

IT

284

13

MY

259

14

I

255

15



251

16

OH

248

17

THE

243

18

いつ

236

19

信じる

232

20



231

21

強い

226

22

世界

222

23

GO

212

24



209

25

笑う

208

26



207

27

キミ

203

28

見る

198

29

WOW

196

30

行く

193


表から分かるように、圧倒的に多かったのは「君」であった。
他にも「僕」「I」「MY」の一人称、「君」をはじめ「キミ」「YOU」の二人称が多く使われていることから、多くの楽曲で「君」と「僕」について歌われていることが推測できる。
分析対象である13組のジャニーズアイドルの中で楽曲のタイトルに「君」が含まれていたのはKing&Prince以外の12組であった(今回は対象外だが、King&Prince3枚目のシングル曲名は『君を待ってる』である)。
確かにV6の『君が思い出す僕は君を愛しているだろうか』、KinKi Kidsの『君と僕のうた』などタイトルから「君」と「僕」が登場する楽曲がいくつか存在する。
ちなみにKis-My-Ft2がリリースしたシングルのタイトルは『君、僕。』というものがある。非常にストレートなタイトルである。
「君」「僕」の次に多かったのは「夢」であった。
ここで意外だったのは「夢」より「愛」や「恋」の方が出現回数が少なかったことだ。
「君」と「僕」に関連した恋愛ソングが多いと思いきや、「夢」に関する内容が歌われている楽曲が多いことが分かる。
男性アイドルのターゲットは基本的に女性なので*3、「僕(ジャニーズアイドル)」が「君(ファン)」へ向けた恋愛ソングが内容としては一番多いのかと思ったがそうではないようだ。
基本的に「夢」や「未来」、「笑う」など、ポジティブに感じられる言葉が多く、ネガティブに感じられる言葉は「涙」ぐらいであった。
「涙」も曲によってはポジティブな解釈ができるだろう。
また、動詞は「信じる」が一番多く、「笑う」「見る」「行く」と続いた。

おわりに

当ブログではジャニーズ事務所所属の13組のシングル曲447曲の分析を行った。
今後更新するブログでは各グループの結果を公表する予定である。
各グループの分析ではこの全シングル曲の結果と比較しているところもあるのでぜひ見比べてみてほしい。


マシュマロ↓
https://marshmallow-qa.com/m_axel_s


「ジャニーズ楽曲の歌詞を分析する~TOKIOから関ジャニ∞まで~」↓
m-axel-s.hatenablog.com






あとがき ~全記事を書いて~
この分析をしようと思ったのはおよそ一年半前。
卒業論文を書くにあたって参考論文を検索をしていると、とあるアーティストの歌詞分析をした論文と出会ったからだ。
それから色々とあり書き終えるまで随分と時間がかかってしまった。
今回の分析で何が大変だったかというと、この447曲の歌詞を集めること。
寝ても覚めてもジャニーズ大好き!な私でも流石にしんどかった。
だが、こうやって結果を見てみると非常に興味深く、努力が報われたと感じる。
今回はシングル曲のみだったが、好きなグループの全曲を分析することによって更に精密な結果が出るだろう。
グループでくくるのではなく、「平成」「2000年代」など、時代ごとに分析してみても良いかもしれない。
また、このような量的分析だけでなく、歌詞の詳しい内容まで分析する質的分析も行ってみるとより面白い結果が出ると思う。
このブログをきっかけに歌詞を深読みすればするほど楽しいことが伝われば嬉しい。